1・2年生から始めるインターンのススメ

★インターンを1年生でやったことにより、2社目でのセカンドインターンに挑戦出来ました。

花谷 航太郎

所属:慶應義塾大学3年(インターン開始当時1年)
EIP13期/EIP14期

<1社目のインターン概要>

  • 1社目のインターン先:スリープログループ株式会社
  • 1社目インターン期間:2010年2月~2011年1月

[スリープログループ株式会社概要]
ITに興味のある人材を募ってエージェントとして組織化し、ITを世の中に広めていくためのさまざまなニーズに、その「人材」を活用して応えていく事業を展開。現在110,000人の登録エージェントを抱え、ITサポートの業界では最大級。日本全国24時間365日、あらゆるサポートニーズに対応している。
http://www.threepro.co.jp/

<2社目のインターン概要>

  • 2社目のインターン先:ケアプロ株式会社
  • 2社目インターン期間:2011年2月~現在、継続中

[ケアプロ株式会社概要]
予防医療という観点から、「全ての人に健康の気づきを与える」ことをミッションに、「保険証不要」「予約不要」「ワンコイン(500円)」で、血糖値、総コレステロール、中性脂肪、身長・体重・BMI(肥満度)・血圧・骨密度を検査できるワンコイン健診というサービスを展開。生活保護受給者、フリーターや子育て中の主婦など、健診に行く機会がない検診弱者と言われる多くの人にサービスを提供。3年後までに100万人にサービスを提供することを目指している。
http://carepro.co.jp/

●色々なことに首をつっこんでいたけど、何か1つのことに集中して取り組んで、自分が将来どういった生き方、働き方をしていきたいのかを見極めたいと思い、インターンを決意しました。

なぜ1年生という時期にインターンをやろうと思ったのですか?

まず、単純に短期間でがっつり1つのことに集中して関わってみたかったという想いがあったからです。1年の始めの頃は、サークルに入って、日中は活動をして夜はひたすら飲んだり、たまにバイトに行ったり、それで稼いだお金で海外に行ったり、一方ゼミにも入ってみたり、学生団体の活動をしたり、と面白そうなことにいろいろ首をつっこんでいました。

1年の学期が終わり、一通りの活動が一段落することを考えた時に、なにか1つに集中して達成させてみたいという気持ちがありました。そこで、1年の11月ごろに、たまたま「次の学年に向けて、なにか仕掛けてみたい人!大きなことをしてみたい人!」というETIC.のインターンシップフェア(6月と12月の年二回開催される、経営者と直接話をしてインターン先を決めるイベント:http://fair.etic.jp/)のお知らせを見て、実際に行ってみたら、インターンは、まだやったことがないし、単純に面白そうと思い挑戦することを決意しました。

もう一つインターンにチャレンジした理由があります。それは、小中高と社会のことを知らずに育ってきて、現実社会のことに興味があったということです。大学に入学してから、大学の基本理念である、問題発見・解決能力を育めと教授に言われ続けたのですが、私は特になにか問題意識を持って入ってきた訳ではありませんでした。それで、じゃ一体問題ってなんだろう、どんなテーマに自分は興味があるのだろうと考えた時に、日本や世界の現実社会で起きている様々な社会問題に対して、ビジネスでアプローチしている社会起業家と呼ばれる存在を知って興味を持ちました。ただ、大学の中にいると、そういった起業家の方々に会う機会は年数回しか持つことができず、ビジネスを発展させるためにどのような頭に使うのか、公共性の高い事業でどう経営を成り立たせているのか、実際に起業家の方々が日ごろどういった課題を抱えて、悩みを持っているかなど、起業家や経営に、実際に関わってみないと分からないと感じました。且つ、そういった方々に出会うことで、自分が将来どういった生き方、働き方をしていきたいのか、そのために今、大学でするべきことはなにかということをはっきりさせるために2年を迎える前の1年の春休みにインターンをやろうと決意しました。

なぜ、数あるチャレンジの選択肢の中からインターンを選んだのですか?

1年の冬に活動する他の選択肢として、海外に行ったり、学生団体にがっつり関わる選択肢もあったのですが、それを行うためにバイトでお金を貯める時間がもったいないと思いました。インターンは生活をするためのお金ももらえて、かつ自分のやりたいことができるのが一石二鳥だと思います。(決してエティックのまわし者ではありません)1年の冬にあえてなぜインターンをするかということに対しては、2年になってしまうと就活前の最後の休みだという人が多く、3年では就活が本格化する人が多く、4年になると、社会人になるに向けて動き出さなければいけないということを考えると、早めに動きだして自分のやりたいことを見つけるという意味ではこの時期にチャレンジして良かったと思っています。

これは後付けになりますが、実際、インターンという選択肢で、優れている点は「環境」だと思います。
ETIC.のインターンシップは、経営者、事業マネージャーの元で働くという真剣勝負の環境で、つまり、生活を懸け、日々本気になって仕事と向き合っている人達がすでに揃っている環境です。もちろん、学生団体やサークルの中にも、このような心構えで死ぬ気になって取り組んでいる学生はいますが、中途半端に関わることも容易です。学生団体やサークルの執行部になって、メンバーを本気にさせるべく、マネジメントの立場にたつのも選択肢として素晴らしいことだと思います。実際にそうした立場で社会で活躍している大学生も数多く居ます。しかし、私は学生団体一本という選択肢を選ぶことができず、他者をやる気にさせる立場ではなく、すでに本気な人材が揃っている環境にコミットして、まず自分自身が組織に成果をもたらせる人間にならなければいけないと思ったので、インターンを選びました。実際に、社長とのミーティングで、中途半端なアウトプットを持っていくと、「お前の仕事は学生がおままごとでやるようなものではないんだ、責任持って真剣にやれ。と何度も言われました。ここまで詰められる経験は学生団体やサークルでは出来なかったと思います。

インターンと学校との両立はどのようにしましたか?

私はインターンをする前からあまり成績優秀な学生ではなかったので、両立が上手く行っていたかと言われれば、微妙ですが、何点か工夫した点はあります。まず、インターンとの関連がある授業をとるということです。そもそも必修でほとんど授業が決まってしまっている大学だとなかなか難しいかもしれませんが、私の通っている大学は、ほぼ自由科目だったので、経営系の授業を多く取りました。たとえば、新規事業を担当するインターンの場合、PLやBS、キャッシュフローの知識は不可欠ですが、逆にこれら基本的な会計な知識を大学で並行して学べば、そのままインターンに活かすこともできます。会社法の授業で、取締役会の役割について学んだ次の日に、インターンに行ったら、横の会議室で取締役会が実際に行われていたということも実際にあり、会社の動きと大学で学ぶ内容が上手くシンクロしていたりすると知識の吸収が必然的に早くなるので、授業の復習の負荷が減り、両立しやすかったという面がありました。

またもう一点、これも大学や学年によって可否が分かれるところですが、大学に行く日とインターンに行く日を分けるということも行いました。私が通う大学は半期上限20単位なので、1日5つ授業を入れて週2日大学に通い、20単位、あとの3日はインターンという形にしました。私は切り替えが遅い人間なので、大学に通う日は授業に集中する、インターンに行く日は仕事のことだけ考えるというサイクルを日程的に無理やり作ってしまうようにしました。

ですが、私が両立に関して一番後悔しているのは、学業の負担ではなく、社員さんからの見られ方とそれに甘んじてしまった自分でした。いくら実践型インターンといっても、社員さんから見れば私は学生で、「まだ20歳にもなってないのに、意識が高いね」と言われたり、「この仕事は大学で大変だろうから、やっておくよ
と助けてもらうことがあり、自分もそれをよしとしてしまっていた部分がありました。

本来なら責任ある仕事を任せてもらっている身、最終的な決済に委ねるまでのアウトプットは自分自身で責任を持って取り組むべきでした。大学生という殻にこもることで、学生の身分に甘えることで、結局、一社員として認めてもらえず、学生がなんか頑張ってたで終わってしまう、周りの雰囲気を自分で作ってしまったことには大変後悔をしています。インターンでの成果をとことん追求するなら、退路を断つという意味で、休学がベストな選択肢だと思いますが、自分も含めて、大学に通いながらやっていこうとするなら、学校があろうがなかろうが、ここまでのアウトプットは責任もって必ずやりますと仕事にコミットして、信頼をつくっていくことが、とにかく大事だと思います。なので、今、私はセカンドインターン(2社目)をしているのですが、今の会社では、まず現場の仕事を正確にこなし、信頼を得ることを一番に心掛けていて、徐々に責任ある仕事を任せてもらえる身になりたいと思っています。

インターン先を選んだ決め手はなんですか?

まず、1年の2月から1年間インターンをした1社目のインターン先である、スリープログループ(株)の動機は、上記に述べた、起業家の価値観に触れてみたいという好奇心です。これまで社会人というと夜遅くまでヘトヘトに働いて、死んだ目をして電車で座っているというイメージを強くもっていました。
それだけ社会との関わりもありませんでした。ところが大学に入って、政治家でも行政マンでもないのに、社会変革を事業で行っている一社会人が大学のOBに居ることを知り、なんか輝いているなと思って憧れを持ちました。またそういう人たちと、できれば飲みに行く関係になれるような深い接点を持って、自分が将来、彼らのようになりたいと思えるか、また自分の将来について考えるという意味で多くの社会起業家と接点をもてるこのインターンを選びました。なので、スリープロのインターンが終わる最後の日に、日本の社会起業家としては一番有名なフローレンス代表の駒崎さんから「尽力頂きありがとう!これからも応援しています!とメッセージをもらった時は泣きそうな程嬉しかったです。

そして、私は現在、大学2年になり、2011年2月からケアプロ(株)でセカンドインターンを行っていますが、このきっかけはスリープロでのインターン時代にケアプロの経営者川添さんと出会ったことでした。その時、川添さんの話を聞いてすげぇと思ったのはもちろん、ケアプロが規模を一気に拡大していくフェーズにあり、社会事業をビジネスで拡げていく経験をできるのがものすごく貴重だと思い、また、社会起業家と関わりをもつだけなく、実際に現場で共に汗を流すという経験をして初めて、自分が今後なにをしていきたいのか見つけたいと考え、ケアプロでのセカンドインターンに挑戦することを決めました。

●インターンをするまでは、社会人って目が死んでクタクタなイメージだったけど、インターンを経験して、こんなにも自分の仕事に誇りを持って、生き生きとしている人達がいるんだ!自分もああなりたい!と思えたのが、インターンで得たことです。

インターンではどのような仕事を行いましたか?

スリープロではCSRとして、スタートアップの社会起業家支援を行っており、起業家と社員が接点を持つ機会をつくるのが私の主な役割でした。具体的には起業家の経営相談に役員がのる場や協働モデル考える機会を作ったり、起業家がイベントを開きたいという際にスリープロの会議室を貸したりという支援を行っていました。社会起業家と事業を協働した事例として、関西に支社があるスリープロがケアプロの関西展開をサポートするという、社会起業家との連携・協働事例を実際に生み出すことができました。

インターンを通じて得たことはなんですか?

まず、様々な人との関わりができました。スリープロのインターンでは、200人以上の社会起業家やソーシャルビジネスに関わる人たちと出会いました。多分、大学に居たら会えなかった人たちばかりで、皆がそれぞれ、どう社会を良くしていくか真剣に考えていて、それまでは、社会人って目が死んでクタクタなイメージだったけど、こんなにも自分の仕事に誇りを持って、生き生きとしている人達がいるんだ。自分もああなりたいと思ったのが得たことです。また、実際に仕事をしてみて、自分の強みと弱みに気づけたことも大きいです。学生団体で1年の時から営業に行って契約をとったりしていたので、企画書なんて楽勝と思っていたら、社長から、ボコボコに詰められたり、電話とりなんてテレアポしたことあるから簡単と思いきや、クレーム受けて無言になってしまったり、社員さんにざっくり頼まれた仕事に対して、どう手をつけたらいいか分からず、質問をしにいっても、何を言っているのかさっぱり分からなくて、でも聞き返す勇気もなかったり。とにかく自分が社会ではちっぽけな人間なんだと気づくことができました。そんな中でも、同期のインターン生や社員の方から、「花谷くん、○○する力あるよねと、自分が今まで気づかなかった長所を指摘してくれることもあり、あ、自分ってこういう人間なのかなとか、こうゆう強みがあるんだなとか、おぼろげながら気づくことができたのは大きいと思います。

でも、一番得たもので大きいのは、友人を得たことだと思います。自分にとって今、一番信頼していて、仲が良い(と勝手に思い込んでいる)友達はETIC.の同期のインターン仲間たちです。私は大学を1年間、週2回しか通っていなかったため、今まで関わっていた大学のコミュニティーとはだんだん疎遠になっていきました。そんな中で、飲んでストレス発散させたり、たまにある休日に遊びに行ったりしたのが、同期のインターン生たちです。長期インターンという共通項があるからか、一緒に居てとても居心地がよく(あくまで友達です)、尊敬もできる仲間です。ある友達はインターンでソーシャルメディアという武器を得て、東北太平洋沖地震が発生してすぐ、「テレビを見ているだけではなにも生まれない、できることから動き始めよう」と、ソーシャルメディアを通じ学生に献血の呼びかけを始めました。こんな、社会を良くするイノベーティブな友達がたくさんできたのは私にとって貴重な財産です。

 

インターンを1年生という早い段階で経験したことで広がった可能性や、その後の学生生活への影響はありますか?

そもそもインターンを早期にやるべきかという問いに対して、ぜひやった方がいいと思っています。インターンで、見ず知らずの世界にいきなり飛び込んで、それに長期間真剣に取り組んだら、多少なりとも自分の考え方や行動が変わるのは必然で、その軌道修正が在学中に行えるからです。インターンしてやりたいことが変わったけど、もうすぐ卒業だとなってしまったら、且つそれが大学でしかできないことだったら、休学や留年という選択肢を取らない限り、取り返しがつきません。自分の場合、1年からインターンを始めていたため、1社目でのインターンの学びや反省を生かし、次はケアプロでのインターンという選択肢を選ぶことができましたが、もっと始めた時期が遅ければ、セカンドインターンは無理で、多分、消化不良のまま就活に突入し、後悔していたと思います。早期にインターンを行うことは、インターンの経験を残りの在学期間、大学でしかできないアクションにつなげられるという意味で大変有意義だと思います。学生生活への影響としては、私は、インターンを続けるため、大学にこもってガツガツ勉強という訳にはいきませんが、インターンにうまく大学を巻き込んで行こうと思っています。例えば、ケアプロは生活習慣病の予防と医療費削減というミッションをもって取り組んでいますが、このミッションに共感してくれる大学教授を募ったり、ビジネスモデルやソーシャルイノベーションを勉強している学生とケアプロを発展させるモデルを考えたりと、学内の活動と学外・インターンをうまくつなげることで、問題発見・解決型の人材になりたいです!

(取材:2011年3月)

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