先輩起業家・経営者インタビュー

口コミによって世の中を変えたい

プロフィール

中村 義之/株式会社みんなのウェディング 取締役/EIP8期生
1984年生まれ。 出身:福岡県福岡市。筑波大学第三学群国際総合学類卒。2006年9月から大学卒業まで株式会社ドリームフィールズにてモバイルECのインターンを経験。2008年4月、株式会社ディー・エヌ・エーに新卒として入社。2年間ショッピングモール事業のアドバイザーに従事した後、2010年4月、同社新規事業推進室「みんなのウェディング」に配属。同年10月、同社から分社化した株式会社みんなのウェディング 取締役マーケティング部長に就任。

 

「インターネット×口コミの力でウェディング業界に風穴を開けるべく、急成長ベンチャーである(株)みんなのウェディングに26歳の若さで取締役に就任し、新たな挑戦を始めている中村さんに「ベンチャーの働きがい・魅力」「口コミによって世の中に良い影響を与えていきたい」という想いを伺いました。

僕って1年浪人しているんです。それがハンディかなと思っていたので、大学時代はいろいろ頑張りたいと思っていました。
インターンをする前の学生生活について教えてください。

僕って1年浪人しているんです。なので、みんな大学入ったら「遊ぼう」みたいな感じの友達が多かったんですけど、僕は1年棒に振っているということがハンディかなと思っていたので、勉強は頑張りたいというところはあったんです。とはいっても、やっぱりサークルとかバイトも人並み以上にはやりたいとも思って、1・2年のときは授業もたくさん取りつつ、サークルはバスケで、2年時からリーダーみたいな感じで活動していました。アルバイトは家庭教師で生徒を最大で10人担当していた時期もありましたね。筑波なので車で動くんですよね。なので兄弟一緒に教えたり、週3日、一日2件みたいな感じで、結構忙しくしていました。でも忙しいながら、充実感はありましたね。

ETIC.を知ったきっかけはなんですか?

総務省主催だったと思いますが、ベンチャーとかNPO団体を集めて、フォーラムみたいなものがあったんです。そこにETIC.のブースがあったんですよ。話を聞かせてもらったら、渋谷に事務所があるから今度話を聞きに来たらって言われたのが、出会いですね。

それで漠然と起業してみたいという気持ちを持ってはいたので、ETIC.に行ってそのことを伝えると、「起業とか考えているんだったら、ネットショップの運営って良いよ。1つの店舗を任されるので、商品の仕入れ、プロモーションも自分でメルマガ書いたりと、ひとつの店舗を切り盛りするから。ある意味経営の疑似体験をできるのが特徴だから。」と内野さん(ETIC.インターンシップ コーディネータ)に言われまして、ネットショップ系の会社の中から、ある会社にエントリーしましたが落ちてしまいまして…(笑)。すごく悔しかったことを覚えています。2週間ぐらいかけて、入社課題の準備をしていましたから。それで同じようなネットショップを運営する株式会社ドリームフィールズ(以下ドリームフィールズ)に、再度エントリーして、インターンが始まりました。

インターンの期間中どんな仕事を担当されていたんですか?

僕がインターンすることになったドリームフィールズは、ジュエリーやアクセサリーなどをインターネットを使って販売するネットショップの運営を主に行っている会社でして、そこで始めはモバイルショップの運営を担当しました。楽天のモバイルショップを先輩インターン生が店長として運営していたんですよ。自分は始めから店長はできないので、先輩の仕事をどんどん引き継ぐ感じで、商品登録からページ作成、しばらくしてからメールマガジン(以下メルマガ)の配信、その後、広告の入稿も担当していくようになりました。それで最初の1、2カ月である程度業務を覚えて、3、4ヶ月目ぐらいに先輩インターン生の手を離れて、自分でほぼ切り盛りするようになりました。それから9ヶ月して、当時内定を頂いていたDeNAの運営する「ビッターズ(インターネット上の仮想商店街)に出店し、自分に店長を担当させてほしい」という話を社長に提案し、任せてもらうことができました。その後、楽天のサイトは後輩に引き継いで、自分はビッターズの出店立ち上げを担当することになりました。

結果がでるようになるまで、どんな努力していましたか?

やっぱり最初は徹底的に先輩をベンチマークしたっていうのはありますね。先ほど話したインターン生の先輩って、自分と同い年なのに、1年ぐらい前からインターンしていて、出会った当時、既に楽天のモバイル店舗の売上を月1000円達成するぐらいすごい先輩だったんですよ。なのでその先輩を徹底的にベンチマークして、例えばメルマガの作り方、商品登録のキャッチコピー、画像のレイアウトなど、先輩のやっていることをとりあえず真似しようと思っていました。やっぱりネットショップの運営って面白くて、メルマガ配信するとすぐお客さんから反応が返ってくるんですよね。何が良かった悪かったっていうPDCAサイクルがすごく回しやすいので、そこで試行錯誤しながら、ダメだったらすぐ聞いて真似して、結果的に、自分で運営全般を考えられるようになっていきました。

ネットショップの運営は中村さんが全部切り盛りしていたんですか?

インターンが始まって6ヶ月目ぐらいの時期には自分でやれていたような気がします。ただ、金額が大きい広告など決裁が必要なものは僕じゃなくてその先輩インターン生がやっていたんですけど、店舗の運営自体はお店のキャンペーン企画含め、全部自分でやっていました。9ヶ月目以降は、ビッターズを担当して立ち上げから全部一人でやりました。ただ、立ち上げ当初はめちゃめちゃ社員の方に迷惑かけましたね。店舗を立ち上げる過程で、商品の品番を入力し間違えるという大きなミスをしてしまいました。具体的には、一覧に並んでいる商品画像と品番が一つずつ、まるでボタンの掛け違いのように、間違えて登録してしまったんです。それに気づいたのがゼミのある日だったんですけど、それを昼間に指摘されて、ゼミを休んで家で修正作業をしていました。結局、1度全商品下げることになりまして、バックエンド(商品の受注、配送管理係)の人にめちゃめちゃ怒られました。

大きな会社に入って、最前線で活躍できるようになるまで何年も下積みを経験し、一番エネルギーがあるときに、座して待たなきゃいけないというのは、自分とは合わないなぁと思ったんですよね。
大学卒業後は株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)に入社されますが、DeNAに入社を決意した理由を教えてください。

普通の就活とか、普通に大企業みたいなところで働くのは、自分の性格と合わないと思っていたんです。そもそも自分がやりたいことじゃないなっていうことは説明会などに参加して、思っていたんですけど、入社してすぐに自分が最前線で活躍しているイメージが湧かなかったんですよね。僕はOB訪問にたくさん行ったり、会社ごとに業務内容を詳しく聞いたり、そういう一般的な就活を行ったわけではないのですが、単純に、直観・イメージで、「ああ、自分が求めている環境ではないなと思ってしまったんです。今、こんなにインターンをやっていて、それなりに会社にも良い影響を与えていると感じ始めている段階で、また大きな会社に入って、最前線で活躍できるようになるまで何年も下積みを経験し、一番エネルギーがあるときに、座して待たなきゃいけないというのは、自分とは合わないなぁと思ったんですよね。

上手く説明できないですけど、直感で違うなという印象でした。最終的にインターネットのショッピングモールを運営するDeNAに入社するんですが、DeNAは直観で本当にど・ストライクだったんですよ。もしかしたらインターンをしていなかったらDeNAは魅力的に映らなかったかもしれないです。ドリームフィールズで若いうちから社員の方と同じようなチャンス、責任を持って働かせてもらえて、実際に働けているということがやっぱり楽しかったんですよ。半年インターンを経験して、こういう感じで働きたいなってイメージがすごく具体的になったんですよね。そんなタイミングでDeNAに出会ったので、迷うことなく入社することができたんだと思います。

DeNAには、新卒から2年半在籍することになりますが、2年間はどんな仕事をされていたんですか?

2年間ショッピングモールに出店してくれる店舗さんのコンサルティングの部署に配属になるのですが、とりあえず量をこなそうと結構長い時間、会社に残って仕事をしていました。僕がドリームフィールズでインターンをした時にネットショップの店長をやっていたので、なんとしてでもやっぱり店舗さんの売り上げを上げたいという気持ちがあったので、土日に出社して、店舗さんの売上データなど、いろいろ分析して、こういうふうにやったら良いんじゃないかなとかいろいろ試行錯誤して、ハードに働いていましたね。ネットショップの店長、社長の方々がクライアントなんですけど、かなりの数のクライアントを1年目で担当していました。僕はファッションのカテゴリに配属されたのですが、その分野はインターンで経験していたので、アドバイスはしやすかったですね。「この商材は、こういう風な写真の取り方が良いですよ。」「ここのキャッチコピーはこうしたほうが良いですよ。」と経験が活かせたので。

しかし、2年目になってから、結構伸び悩みました。コンサルといっても営業の部署なので、店舗さんに長く出店してもらうための契約の更新営業があるんですけど、その成績がいまいち出せなかったんですね。1年目とそんなに大差ないような状況がずっと続いて、もどかしい時期はありました。それで営業のやり方などを、結果を出している同僚から学んだり、工夫したりしてやっていました。

コンサルとしての、一番すべきミッションは、店舗さんの売上向上に貢献することなんです。それが結果的に広告の売上にもつながるし、長く契約を更新してくれるって形になるので、売上向上が至上命題なんです。ただ、この店舗さんにまだ広告は早いだろと思ったら、むやみに広告を出すということをやらず、「どうしたらこの店舗さんに買ってくれるだけの体力がつくのか。」「この店舗さんにとってのベストな広告の打ち出し方」などを一緒に考えて取り組んでいましたね。その結果、売上が伸び、将来的に広告も積極的に購入してくれる店舗さんに成長してくれたときは、本当に嬉しかったです。

中村さんはその後コンサル業務からみんなのウェディング事業部に移りますが、みんなのウェディングの事業について教えてください。

そもそも同期がみんなのウェディング事業部にいたんですけど、異動することになって、その後任として配属されることになりました。「みんなのウェディング」は結婚式場選び・結婚準備についての本音の口コミサイトです。結婚式場の本音の評価に加え、経験者自身によるリアルな結婚式場の見積り明細など、他ではなかなか手に入らない重要な情報を入手することが可能なサイトです。結婚準備について色々と相談が可能な「相談広場」、色々と複雑な結婚準備の「やることリスト管理機能」など、結婚準備から新生活準備まで、便利な機能も利用できるようになっています。

みんなのウェディングに移りどんな仕事を担当していたのですか?

最初は前任者の仕事を引き継いで、マーケティング、集客、サイト分析など担当して、前任者との引き継ぎが4月だったんですけど、数ヶ月間は正社員3人ぐらいで、マーケティング、経理、カスタマーサポートとすべてをやっていましたね。併せて、いくつかクライアント(結婚式場)も担当することになりました。9月以降は、売上目標が、なかなかチャレンジングな数値目標に設定されていたんですね。まだまだ小さな新規事業なので、達成しなかったらサービスが消えるかもしれないという危機感がありました。同僚の営業担当からも、「今後はマーケティングもやりつつ、営業にも入ってほしい」と言われて、7月ぐらいからセミナーも担当してました。セミナーというのは、例えば、支配人の方、広報担当者の方を招いて、「インターネットの口コミとは」から始まって、みんなのウェディングのサービスを紹介する形式なんですけど、セミナー後、サービスに興味あるお客さん(=結婚式場)のところに訪問して、受注につなげていくというセミナー兼営業を担当していました。なので、マーケティングもやって、経理もやって、営業もやってと、「もうどれだけやってんだよ」みたいな感じでしたけど(笑)、すごく楽しかったですね。僕はそのサービスにどっぷり浸かって、自分が事業を回している感覚、ある意味でインターンで経験したネットショップの店長の役割が、さらに規模感が広がって、しかもDeNA流のプロフェッショナルなビジネス手法に基づいて運営されていたものを継承して担当していたので、「俺、めちゃめちゃ良い経験しているな、成長しているな」っていう実感はすごくありましたね。

自分の意思決定1つで会社が、伸びていくか、伸びないか、もしかしたら潰れるかもしれないっていう決断を迫られるのが、鳥肌もののプレッシャーです。一方で、そのプレッシャー自体が楽しかったりするんです。

みんなのウェディングが、DeNAから分社化するまでの経緯を教えてください。

そんな日々で仕事をしているときの8月30日に、会社から「みんなのウェディングが分社化されることになり、DeNAの事業部から離れ、別会社として独立して、再出発するということになった。」と伝えられました。それは驚きで、「本当!?」と思いましたね。DeNAは本当に好きだったので、入社前は数年経って経験を積んだら転職もありかなと考えていたんですけど、その当時にはもっと長いことDeNAにいたいなって思っていたところだったんで、びっくりでしたね。「じゃあ、もうみんなのウェディングともお別れなんだ」という風に思いました。その後に全体のミーティングがあって、「ベンチャーキャピタルから出資がある」「5年以内に上場を目指して頑張っていく」「DeNAからの出資はあるが、グループ会社ではなくなります。」「単独の会社で一からやっていきます。」ということを伝えられたんです。それを聞いたときに「めっちゃくちゃ面白そう」と思ったんですね。会社の立ち上げを経験できて、かつ、既に黒字化しているサービスで、しかもそれを上場まで持っていく。そんなチャンスって、2、3回生まれ変わっても巡ってこないって思ったんですよ。滅多にない大チャンスだと思ったんです。その1時間後ぐらいに飯尾(現みんなのウェディング社 社長)と話しまして、「もう決めました。新会社に行きます。」って即答しました。

リスクを恐れて数年後に後悔したくないし、若い間だからこそできる決断だと確信していたので、翌日、新会社に行くことを会社に伝えました。

大きなDeNAという会社を飛び出すことに不安はなかったのですか?

新しく分社化する会社の社長となる飯尾が「将来的にはみんなのウェディングを結婚に限らず、出産や育児など女性のライフステージを応援する、世の中に良い影響をもたらす会社にしていきたい」と、明確にビジョンを語ってくれて、すごくワクワクしましたね。学生時代から、国際貢献など、世の中に何か良い影響を与えられるようなことを創っていきたいと思っていたので、嬉しかったです。それを実現できるチャンスを与えられたことにすごく興奮しました。すごい偶然ですけど、探していたことがやっと見つかった、全力で一生かけて取り組める環境に出会えたと思えて、飯尾の言葉は非常に嬉しかったですね。そのビジョンを直接聞いてからは、DeNAという会社を出ることに対しては本当に悩まなかったですね。

一社員から取締役になっての変化や苦労があれば、教えてください。

取締役という立場よりも分社化してから大変だと感じたことはたくさんあります。DeNAにいた時は僕よりも圧倒的にできる人達がたくさんいたんですよ。なので、その人達をベンチマークして、その人たちに教えてもらったり、相談しながら仕事をすれば、それなりに自分も成長できたし、拠り所があったんですけど、それが今はないんですね。新会社を立ち上げてから、最終的な意思決定は自分がすることが多くなったし、上から厳しく指導してくれる人もいない訳じゃないですか。そうなると自分で何とかするしかないんですよね。自分で勉強して、考えて、わからないことがあれば本を読んで調べる。それでもわからなければ、DeNAの人に電話かけて聞く。当たり前ですけど、会社を運営するために自分でやんなきゃいけないことがめちゃめちゃ増えましたね。

また、自分の意思決定1つで会社が、今後、伸びていくか、伸びないか、もしかしたら潰れるかもしれないっていう決断を迫られるのも、鳥肌もののプレッシャーで、大変な部分ではあります。でも一方で、そのプレッシャー自体が楽しかったりするんです。取締役ということで、自分の意思決定で会社が左右されるわけですから、結果を出しても出さなくても、それは誰でもない自分の結果として返ってくるので、そうなると震えるものがありますよね。意思決定の重みが変わったことが大変なことでもあり、楽しいことでもありますね。

世の中に良い影響を与えたいという想いを体現しているサービスが今まさに提供できていることは、すごく魅力的ですし、ワクワクしますよね。
今取り組んでいるビジネスの魅力とビジョンを教えてください。

結婚式ってライフステージの中でも最大のイベントですし、その対価として大きな金額でサービス(結婚式)を購入することになりますよね。でも結構その金額が不透明だったり、結果として予想よりも多く払わなければいけないことがあるんです。そのような状況を口コミで解決できると思っています。一方で結婚式業界が変わり出しているところも感じています。以前は口コミサイトに対してネガティブなイメージを持っていた式場も多かったようですが、今では式場のほうから、「口コミを活用していこう」という動きが強くなっていて、ユーザーの声に真摯に耳を傾けてくれる式場や口コミの価値を正当に評価してくれる式場がすごく増えてきたように感じます。そういう声を聞くと、まだ一部の変化かもしれないですけど、時代の変化や流れを実感できて、すごい楽しいですし、面白いですね。

それと、この口コミによるサービスは横展開できると思うんですよね。結婚式業界に関わらず、もしかしたらお葬式かもしれないし、全然違う業界かもしれないですけど。口コミという新しい情報源が色々な場面で利用されることよって、ユーザーの満足度が上がり、世の中が自然と良い方向に変わっていくと思っているんです。世の中に良い影響を与えたいという想いを体現しているサービスが今まさに提供できている。それだけでなく、今後色々な方向に展開できる可能性を秘めているサービスに携われていることは、すごく魅力的ですし、ワクワクしますよね。

みんなのウェディングという口コミサイトがサービス利用者であるカップル・式場、さらには、業界それぞれに与えている価値、影響は何だと思われていますか?

カップルには選択の機会を増やしていると思いますね。それとサービスに対する納得感、満足感は向上していると思うんですよ。全く何も知らずに自分の住んでいるエリアの式場に足を運んで行って、「こういうのが良いですよ。」とそれぞれの式場で言われて、結局何が良いかわからないとなった時に、口コミを見に、僕らのWEBサイトに来るわけじゃないですか。そこで実際に結婚式を挙げた人が良かった点、悪かった点を本音で投稿しているので、いろんな人の意見が聞けて、その投稿を見ることがなければ知り得なかった客観的な情報を得ることができるというのは、すごく健全だと思うんですよね。一生に1度のおめでたいことなのに、そこでトラブルが起きて、話が違うじゃないかってなったら、後悔してもしきれないですよね。そういう意味ではカップルに対しては、いろんな口コミの中から、自由に式場を選択できる機会と、購入に対する納得感を提供したいと思っています。結果として良い式が挙げられたとなったら、もしかしたら夫婦円満になるかもしれないですし、良い思い出として残るかもしれないですよね。なので、僕らのサービスを利用してもらって結婚式の満足感が高くなれば、それはカップルに対して新しい価値を提供できているのだと思っています。

式場サイドの話をしますと、ビジネス寄りの話になりますが、従来のウェディング雑誌などへの広告は、数十万、数百万単位での広告なので費用がかかるんですね。効果があれば良いのですが、もしその費用対効果が低ければ、経営を圧迫して、結果としてサービスの質が低下し、顧客満足度が落ちることにつながると思うんです。それが僕らのサービスでは、数万円の単価で広告掲載できるんですよ。ネットなので、情報の更新も簡単にできるし、実際にどれだけ効果があったかということも把握できる。それだけでなく、口コミを見ることで、サービスの改善もできる。例えば「バリアフリーじゃなかったです。」と書き込みがあれば、「段差をなくし、バリアフリーにしました。」と返信できたりもするので、ユーザーと直接コミュニケーションができて、顧客満足度も上がる。低コストで顧客満足度も高められ、かつ、利益率もよくなるので、式場としては健全な運営ができるようになるんです。そういう意味で今までと全く違う方向の広告宣伝、PRができる場が提供できていると思いますね。

そうなると、結婚式に対して、ポジティブなイメージを持つ人も徐々に増えていくと思います。今は年間70万組婚姻届を出す人がいるんですけど、その内35組程度しか挙式しないんですね。一番の理由は費用が高いからなんですよ。業界紙とか、メディアが高いというイメージをつくっていると思うんですけど、でも、チャペル、神社などで挙式をあげるだけなら、10万円程度で、挙式だけはできますし、他にも色々な形式の結婚式が実現できたら、残りの何万組かの人達が、式をあげてくれるかもしれない。最終的にはそこまで行って市場を拡大していきたいですね。まだ変えている段階ですし、今後どこまで出来るかわからないですけど、それも含めて楽しんでる感じですね。

みんなががむしゃらに働いているような環境に飛び込んで初めて見える世界が絶対あると思うんですよ。

インターンの経験が現在の仕事に、どう活きていますか?

インターンのときに一人で売上管理をして、ネットショップを運営していたわけなので、会社の売り上げと自分の仕事が密接に関わっていたんですね。なので、今、取締役になって決裁権を持つ立場にあるんですが、自分の決定で会社が動くことに対して抵抗感はないですよね。大変ですけど、楽しみながらやれている感覚がありますね。ドリームフィールズでの経験は、そういう経営者マインドを創ってくれたと思います。

これからインターンを考えている学生にメッセージをお願いします。

ETIC.に関わらず、こういう長期インターンって、一人残らず絶対やった方が良いと思うんですよ。自分がインターンを経験して広がった世界がありますし、もし仮に、まったくベンチャーに興味が無いとか、公務員を目指しているという人でも、インターンを経験した方が良いと思うんです。なぜかと言うと、学生がイメージしている社会と、実際に入ってみて感じる現実の社会ってまったく違うと思うんです。小学校から中高大と10何年も学校生活を過ごしているじゃないですか。それで社会のことを全く知らずに、就活に突入してしまう。そうではなく、学校の外に出て、自分で稼ぐという感覚を持ち、稼いでいかなければ会社が潰れるかもしれないという危機感でみんなががむしゃらに働いているような環境に飛び込んで、初めて見える世界が絶対あると思うんですよ。結果的にそういう経験をすると、勉強だったり、サークルだったり、学校の中での取り組みが、違う角度で見えるようになると思うんですね。何をしようか悩んでいたり、時間を持て余しているような学生が相談に来たら、「とにかくベンチャーで働けば」と全方位的に勧めますね。とはいっても、どんな会社が良いとか、わからないと思うので、僕の場合は、それを紹介してくれたのがETIC.だったし、結果的にインターンでドリームフィールズに入ったから、新卒でのDeNA、そして今のみんなのウェディングがあるので、そういう方向づけ、コーディネートをしてくれたのはありがたかったですね。内野さん(ETIC.インターンシップコーディネーター)からネットショップ運営のインターンの魅力を話されなかったら、僕の人生は全く違っていたでしょうね。

(2011年1月取材)

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