内定後インターンのススメ

体験談

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ピクスタでのインターンは、大げさでなく私の人生における岐路だったと思います。自分が本当にやりたいことは何か、見つめなおす機会でした。

鈴木晶子 さん

  • 大学:横浜国立大学4年
  • 内定先:大手外資系IT会社辞退→スタートアップ立ち上げ
  • インターン先:ピクスタ株式会社
  • 仕事内容:海外からの商品調達、専門学校での講演、新規事業のリサーチなど

  ◆内定後インターンをする以前で学生時代、特に力を入れた活動や将来ビジョンにつながるきっかけとなった経験を教えてください。

入学直後にダンスサークルに入部し、その後はずっとダンス漬けの毎日でした。間に合った授業にだけ出て、毎日深夜まで練習、長期の休みがあればバックパッカーで海外に行くという生活を繰り返していました。基本的にダンスのイベント等は0時〜5時がデフォルトなので、寝なくてもある程度平気な体になり、おかげでインターン中どんなに忙しくても体力的な辛さを感じることは無かったです。笑 また3人のチームで活動していたのですが、他の2人のメンバーのスキルが非常に高かったので、チーム内での自分の居場所や存在意義を見つけるのに苦労しました。スキルでは全く勝てないので、他の部分でチームに貢献しようと頑張りました。そういう意味でダンスでの経験は、自身の成長のために「優秀な人に囲まれる環境を選ぶ」かつ「その中で自分が貢献できる役割を見つける」という今の考えのベースになっていると思います。

 ◆どのような問題意識や将来ビジョンを持ち、どのような就職活動をしましたか?結果、なぜ今の内定先に決めましたか?

就職活動を始めた当初は典型的な大手志向の学生でした。負けず嫌いなので数字で成果が目に見える営業職で、あとはブランド力があって海外勤務が出来ればどこでもいいという感じで、深く考えずに総合商社や大手メーカーなどを受けていました。そんな志望理由なのでいいところまで選考が進んでも、最終面接で落ちるわけです(笑) 一方でIT系の企業だけは、元々インターネットが好きだったこともあり、残っていました。そこで内定をいただいた企業の中から、なんとなく外資系の方が雰囲気が合いそうだなと思ったのと、一番私を求めてくれていると感じた某社に決めました。その頃はベンチャーやスタートアップなんて全く考えておらず、むしろ「ベンチャー企業は働く人も志望する学生も熱い人が多くて苦手だなー」と思っていました。suzuki3

◆内定後の過ごし方として、数ある選択肢の中から、なぜアントレプレナー・インターンシップ・プログラム(EIP)に参加しようと思ったのですか?

私は両親が経営者なのですが、幼い頃から「起業しろ」と言われて育ちました。そんな両親への反発もあって就職という道を選んだのですが、就職する前に両親以外の経営者、とくにベンチャーの経営者がどんな仕事をしていて、どこに面白さを見出しているのかを知りたいと思ったからです。長期で海外に行こうかとも思いましたが、大学3年の夏に2ヶ月インドでインターンをして、「日本で無力な人間が海外に行っても何の役にも立てない」ということを痛いほど実感していたので、留学や海外インターンはやめました。そこで「内定後 インターン」でググって一番上に出てきたETIC.の直近の説明会を予約、話を聞いてその場で即決しました。

 ◆インターン先を選んだ決め手、インターン先の事業内容、インターン先でどのような仕事を行ったかを教えてください。

個人的にインターネットの面白さは仕組みを作れるところだと感じていたので、説明会後の面談で何かしらのプラットフォームを持っているITベンチャーかつ、社長の近くで仕事ができるところで働きたいと話し、ピクスタを紹介していただきました。その後社長の古俣さん含む3名の方に面接をしていただいたのですが、何を言っても「ふーん・・」としか返ってこず、「これは落ちたな」と思っていたら後日合格の連絡がきて驚きました。今でもどこを見られていたのか分かりません。

働く環境や仕事の内容についてはとにかく恵まれていました。入社前に「海外に関わる業務がしたい」とざっくり話したら、入社直後から海外のクリエイターと毎日英語でやりとりをしたり、専門学校で学生に向けて一人で講演をしたりと、書ききれないほど多くのことを任せていただき、実際の業務の中でも「インターンだからここまで」というのを感じたことは一度もありませんでした。また席が古俣さんの真ん前だったので、成功しているベンチャー企業の社長の会話を日々盗み聞きできるだけでも、インターンをした価値があったと思います。

◆インターン期間中にやりがいを感じたこと、感動したことを教えて下さい。

具体的な業務では、ピクスタの一般知名度をあげるべく何かウェブで話題になることをしよう、と実施した流行語素材の企画 (http://pixta.jp/buzzword) を一から任せてもらえたことです。企画立案から実施まで社員の方にはご迷惑をかけっぱなしでしたが、大学のゼミを終えてインターン先に向かう途中のバスで、ツイッターでピクスタと検索すると上記のリンクがタイムラインに並んでいたときは感動しました。他にもFacebookやETIC.の人から「あれ面白いよね」と言っていただけて嬉しかったです。

ですが、一番の感動は何よりピクスタの社員の皆さんの対応です。社長の古俣さんや役員の方々も非常にフランクに接してくれ、他の社員の方もどんな質問にも嫌な顔ひとつせず答えていただき、様々な面でフォローしていただきました。また女性が多い職場だったので、就業後に飲みに連れて行ってもらったり、業務で行き詰まっていたときなどは相談にのってもらったりといったことを通して、仕事、プライベート問わず様々な面でロールモデルとなる女性を見つけることができたのは、今後の自分のキャリアや方向性を考えるうえで非常に重要だったと思います。mtg02

◆インターン期間中で辛かったこと、悔しかったことを教えて下さい。

数字での結果が残せなかったこと、端的にいうとバリューが出せなかったことの1点に尽きます。はじめはある程度緊張感があるのでがむしゃらにやっていたのですが、今考えると3ヶ月あたりを過ぎてからは自分のできる範囲の業務を“こなしていた”気がします。様々な機会や場所を際限なく与えてもらって、私自身は非常に成長させてもらいましたが、ピクスタの利益や成長に目に見える形で貢献できなかったのが悔しいです。なので、今は一刻も早くピクスタに恩返しできるような人材になるべく、失敗を恐れず、成果にこだわって精進していきたいと思っています。

 ◆ETIC.を通じてインターンをしている他のインターン先の同期の仲間や、挑戦を支えてくれたOBOGのメンターはどういう存在ですか?

大学やサークルの友達と熱い話を本気でするのって照れくさかったりして、結構難しいですよね。そういう意味でETIC.という場やそこで知り合う仲間は貴重な存在だと思います。皆それぞれ目標や夢を持っていて、悩みながらも頑張っている人が多く、彼らと話していると「日本の大学生も捨てたもんじゃないな」と思わされました。自分の本音をぶつけながら議論できる同年代の仲間ができたのは、ETIC.でインターンして良かったなと思うポイントです。

◆EIPのカリキュラム(研修合宿・メンタリング・講座)はあなたの成長にどんな影響を与えましたか?

メンタリングでは、自分の悩みや課題の解決法を他のメンバーが真剣に考えてくれるので、毎回感動していました。そんな空間ってなかなかないと思います。また社会人メンターの安田さんには仕事からプライベートまでいつも的確なアドバイスをいただき、今もとても感謝しています。合宿については、私は中間合宿しか参加できなかったのですが、日々の業務に追われがちな中で、自分を見つめ直すとてもいい機会になりました。また他のインターン先の話を聞くことで改めて自分の環境が恵まれていることを再実感し、「こんな恵まれた環境にいるならもっと頑張らないと」とも思いました。

 ◆EIPに参加する前と修了後の自分を比較したときに、変わったこと、成長したと思うことは、どんなところですか?またEIPの経験は、あなたの将来ビジョンや仕事観にどんな影響を与えましたか?

ピクスタでのインターンは、大げさでなく私の人生においての岐路だったと思います。あのまま何も考えず就職していたらどうなっていただろうと考えるとゾッとします。ピクスタでの仕事や色んな方とお話する中で、刻一刻と新しいサービスが生まれるウェブやスタートアップの世界が楽しすぎて、内定先での業務と自分の本当にやりたいこととが乖離しているのを日々実感し始めていました。それでも一度決めた会社かつ内定式も終わったあとだったので、迷いに迷いましたが、ある週末に思いっきりダンスしていたときにふと「やりたいことをやるしかない」と吹っ切れ、1月に辞退させていただきました。内定先の会社には非常に迷惑をかけてしまい申し訳なかったですが、こんな風に自分と本気で向き合うきっかけをくれたピクスタでのインターンと、そこで出会った皆さんには感謝してもしきれません。

また就活の面接では自己分析に基づいて自分の強みと弱みを語るわけですが、いざ仕事をしてみるとそれらが違っていたことにも気づきました。インターンする前は自分の強みは行動力や実行力だと思っていたのですが、ピクスタでいざ仕事をしてみると、「最初の1歩を踏み出すまでの遅さ」や「失敗を恐れるあまり無難にこなそうとする」という自分の弱みを実感しました。逆に、苦手だと思っていた「周囲を見ること」や「色んな人や物事を調整しながら何かを前に進めていくこと」は得意なのだと気付けました。そういう意味で、今内定が決まっていない人、就活が上手くいっていない人こそ長期インターンをオススメしたいです。その分1・2年生からインターンしている子達なんかは既にそのフェーズは終えていてブレがなく、素直に羨ましいなと思います。suzuki

 ◆これから内定後のインターンを考えている人にメッセージをお願いします。

就職活動を終えた4年時にインターンというと、もれなく「意識高い」学生にカテゴライズされ笑、「せっかく最後の学生生活なのにもったいない」って反応がほとんどだと思います。ですが、時間を切り売りしながらバイトしてたまに飲んだり旅行したりする日々と、絶対的にチャレンジせざるを得ない環境で将来の自分に投資するのと、どっちの方が「もったいない」のかよく考えてみて下さい。学生インターンって考え方によっては非常に居心地のいい立場で、仕事では社員と同様に扱ってもらえて、自分次第でいくらでも成長できる環境があり、仕事の外では学生として相談に乗ってもらったり、凄い人に気軽に話を聞きに行けたりするわけです。それこそ「今だけ」の、大学生ならではの強みなのではないでしょうか。インターンはあくまでは数ある選択肢の一つですが、もし今他に何も打ち込めるものがないなら悪くない選択だと思います!