休学インターン体験談

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休学してもしなくても、今より最低になることはない

川口 枝里子さん
小樽商科大学3年次を休学
インターン先:株式会社フィッツコーポレーション(飲料事業立ち上げプロジェクト)

学生レベルでの成長ではなく、社会人としての進化をしたかった。
なぜ休学しようと思ったのですか?

休学した理由は、「ライチュウへの進化を目論んで」でした。大学一年生の時から、学生団体の立ち上げ、NPOで法人営業担当、環境系学生団体への参画、大学自治会執行部に所属等、そこそこ活動的な学生でした。周りの大人からも「学生なのに凄いね!!」と言われる事が多かったです。でもある時、ふと疑問に思いました。「学生の中ではそこそこの位置にいるのかもしれない。でも社会人になったら私はどのレベルなんだろう。」この疑問は日に日に大きくなり、「凄いね」と言われる事自体が辛くなりはじめました。「このまま学生レベルで活動していて良いのだろうか。もしかしたらピカチュウの中では最強になれるかもしれない。でもレベル100のピカチュウは果たしてライチュウに勝てるのだろうか。」学生をピカチュウ、社会人をライチュウとした時に、私が目指すべきものは、ライチュウとしてのレベルUPでした。「進化すれば総合的な力が上がるだけではなく、色々な技が使えるようになる、私はピカチュウのレベルで通用する世界ではなく、ライチュウの世界で勝負したい。勝負出来るだけの実力が欲しい。」そう切に思い、自分自身のレベルUP、一皮剥ける事を目的に休学を決意しました。

休学をすることに、迷いはありませんでしたか?

休学を決めてからもずっと悩んでいました。いつまでもウジウジと。カビが生えそうなぐらいウジウジしてた記憶がありますが、信条としている言葉に「やらぬ後悔より、やる後悔」という言葉があります。「動けば絶対何かが変わる。」そう信じているのと、「行動しなければ何も変えられないが、行動すれば自分次第で何もかも変えられる。休学して失敗したと思ったらそこから良い状況に変わるようにまた動けばいいじゃないか。」そう考えてウジウジをやめました。

休学をするにあたり、何がハードルになりましたか?また、それをどう克服しましたか?

私が休学するにあたって、ハードルは一切ありませんでした。今でもそう思っているのですが、この話をすると、社会人の方から「川口さんは普通の人がハードルだと感じる事をハードルだと感じないタイプなんだよ」と言われました。要するに「ハードルはない」という思いこみが強かったタイプなんです。またハードルは、自分の思いこみが作っているものだと思います。休学にハードルがあると感じている方には今一度、自分自身に問いかけてみて欲しいと思います。『あなたが感じているハードルは本当にハードルですか?』と。

休学中のチャレンジとして、なぜインターンを選んだのですか?

前述したとおり、「学生レベルでの成長ではなく、社会人としての進化をしたかった」からです。

インターン先、インターン先の事業内容、そこで取り組んだ仕事を教えて下さい。

新規事業部のため、何でもやっています。日々のルーティンワーク、オンラインショップの運営、販売、その他、仕事と名前がつくことは全て行っています。(飲み会でのイジられ担当等、仕事と名前がつかないことも担当しています。)

やることは仕事しかない、どこにも逃げ場なんてない」この状況に自分を追い込めたことが休学して良かったことです。。

インターンをしていて面白かったことや、やりがいを感じたことを教えて下さい。

基本的に全部が楽しいです。オフィスワークも楽しいですし、商談同行・同席も、業務外の飲み会等も全てが楽しいです。やりがいを感じる時は「今までだったら任せてもらえなかった仕事を任せられた時」です。少しずつ自分で考えて動けるようになってきており、今はオンラインショップの運営を責任者をしています。もちろん、仕事は一人でやるものではありませんから、運営にあたって逐一上司たちに報告・相談をしています。しかし、目標への達成プランの作成や提案等、自分の裁量で出来る範囲が急激に拡大しており、非常にやりがいがあります。

インターンで辛かったことや悔しかったことは何ですか?

インターン開始3ヶ月目ぐらいの事です。一つ、仕事で大きな、大きなミスをしました。自分の不注意からです。自分では収集がつけられず、上司が全て解決してくれました。そして上司は私を一言も責めませんでした。「何故ミスが起こってしまったのか。次の人がそれをやらないためにはどうしたら良いのか」という2点について改善を求めたのみでした。非常に情けなく、悔しかったです。

また、自分ではコミュニケーション能力は低くはないと思っていたのですが、社会人の世界では通用せず、上司にその点を注意された事がありました。「コミュニケーション能力って何をどう治せばいいの!?」そう悩み始めたら止まらなく、また前述の大きなミスもあり、全てがうまく回らなくなった事があります。大きなミスに引きずられるように、細かなミスが連発しました。毎日毎日、会社に行く度に発覚するミス。「もう自分は何もしない方がいいんじゃないか。」本気でそう思いました。

この時期は「もうやだ。もうインターンなんて絶対止める。社会人になんてなりたくない。一生専業主婦でいい!」と2週間毎日泣きながら言い続けていました。(笑)ただ、やはり私の上司が私のミスを一言も責めず、むしろ育ててくれているのがよくわかって、「どうせ何も出来ないんだから、何でもいいから役に立てる所を探そう」「少しでも恩返ししなきゃ」そういう気持ちが芽生えたため、気持ちを切り替えて仕事を続けました。その結果が今です。少しは御恩返しが出来てきたんじゃないかと思ってます。「どんな物事でも取り組む心持ち次第。」本当に心からそう思うようになりました。

学校との両立ではなく、休学して臨んだからこそ、よかったことはなんですか?

逃げ場がなくなったことです。色々な活動をしていた時は一つがうまくいかなくなると、他の活動に逃げる事が出来ました。学業と両立しているインターン生が学業に逃げているとは思わないのですが、私は意外と逃げ腰な面もあるため、「問題から逃げられない状況」を作る必要がありました。「やることは仕事しかない、どこにも逃げ場なんてない」この状況に自分を追い込めたからこそ、悩みぬき、考え抜いて見えた未来があると思っています。

インターンで得たことや、インターンをする前と後で自分が大きく変わったことはなんですか?

一言で言うと「自信がついた」事です。軸が形成されて、内面からどっしりと(体重じゃないですよ!)となった、という感覚があります。インターンを始めた際は何も出来なかったので、何をやるにしてもビクビクしていましたが、今は色々な仕事を任され、その中からオーナーシップを発揮して物事に取り組めています。自ら進めてきた仕事が少しずつでも認められてきて、それが更に自信につながり、もっと仕事がしたくなる…というような好循環が生まれてきています。「自信を持って物事に取り組めるようになった事」これが一番の変化だと思います。

休学を考えている人にメッセージをお願いします。

休学を考えている方は今、人生の岐路に立たされている気持ちでしょう。実際に、岐路に立っていると思います。ここの選択が人生を大きく変える、そういう意気込みで悩んでいる人も多いのではないかと思いますが休学を経験して思う事は、「休学してもしなくても、今より最低になることはない」ということです。休学した程度では地獄には落ちません。1年とか2年浪人した人と年が一緒になるぐらいです。

仲が良い子と一緒に袴を着て「お互い卒業おめー☆」とか出来ないぐらいです。それよりも「休学したからには全てをチャンスに変えてやる」ぐらいの気持ちで臨んだ方が絶対に良い方向に進みます。そしてその気持ちでいると失敗することはまずないのではないでしょうか。
一方で、「何故休学するのか」という【理由と目標】は突き詰めて考え抜いてほしいと思います。

「人に説明出来る理由を作る」のが大切なのではありません。休学期間中、ブレない軸で貪欲に成長し続けるため、逃げないために必要だからです。社会という新しい環境に出れば、初めての経験・尊敬する上司・魅力的な仲間たち等、今までにない刺激的な世界が始まるでしょう。その時に「何故休学するのか」という点を考え抜いていないと、全てが高速でサラっと流れてしまいます。当初目的だった事を何一つ達成出来ないまま、6か月経った時に「でも良い経験が出来たし、刺激的な世界に触れられて、成長したと思う!」という感想で終わってしまいます。

それでは非常にもったいないと思います。インターン期間中も常に「何故休学するのか」という事と「現状」を照らし合わせて「このままじゃまだまだダメだ」と感じて貪欲に上を向き続ける事こそが成長につながるのではないでしょうか。また、休学が終わった時には、目標を達成できたかという評価測定にも使えます。そういう意味では私の休学インターンは失敗でした。(もちろんこの環境を与えてくれた上司たちへの感謝は非常に大きいです。)「営業をやりたい」とずっと思っていたけれど、インターンではそのレベルまでは到達出来なかった。自分の努力不足、成長不足です。だからこそ、私は就職活動においては「営業の能力を伸ばせる会社」にこだわって企業探しをしています。「次こそ絶対目標を達成する」、この想いが次につながっています。

【理由と目標】をしっかり定めたインターンは、「目標を達成できた!」という方には最高の成功体験になりますし、「達成出来なかった…」という方には次に繋がる経験になります。「何となく良い経験が出来た。」という程度の感想に逃げないためにも、「何故休学するのか」という点を深く掘り下げておく、というのは私としては非常にお勧めです。インターンは途中、本当に苦しいです。自分に限界を感じ、もう辞めようと何度も思います。でもそれを乗り越えた先にあるものは、「最高に楽しい世界」です。見るもの全て、やること全て、仕事の全てが最高にキラキラ輝いてみえて、自分自身も光源の如くキラキラオーラで日々を楽しく過ごす事が出来ます。
生まれ変わるのも、成長するのも、進化するのも自分次第。それを「今」にするのか「50歳のおじちゃん世代」にするのかも自分次第。ぜひ、後悔がない選択をしてください。

(取材:2011年2月)

川口 枝里子さん

PRIFILE

  • 所属:小樽商科大学4年(3年次を休学してインターン)
  • インターン先:株式会社フィッツコーポレーション(飲料事業立ち上げプロジェクト)
  • インターン期間:2010年2月~2011年3月
  • EIP13期

[インターン概要]
香水・化粧品の企画、開発、販売を手がけるフィッツコーポレーション社の新規事業として立ち上がった飲料事業部=アレグレス事業部。新しいビバレッジのジャンルを創ることをミッションに、低アルコール飲料の輸入、企画、販売を展開。
http://www.allegresse-smile.com/