休学インターン体験談

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人生は一回。リスクのない挑戦は、何の役にも立たない。僕は後悔がない人生を生きたい。

落合 拓史さん
東京学芸大学4年次を休学
インターン先:株式会社ブイ・フォース/ケアプロ株式会社

世間体とか家族とか友達の目を気にして、スキルと年収とブランドだけで就職就職をして、本当に自分の好きなことや欲求に素直に仕事を選んでなかったことに気づいて、休学して就職留年(浪人)してインターンをしようと決意しました。
就職留年をするということ、休学するということを決めた一番のきっかけは何だったのですか?

大学やサークルで国際問題について勉強していたので、社会起業家(マザーハウスの山口恵理子さんやグラミンバンクのムハマド・ユヌスさんなど) に少し憧れていました。しかし現実問題、今すぐに自分が社会起業家にはなれないと思い、とりあえず就職して力をつけようと決めました。それで、3年生の時に大学も就職に強いほうじゃなかったので、就職のためにインターンぐらいしておかないと就職活動で自己PRできないと思い、ETIC.のインターン説明会(インターンシップ活用セミナー)に 参加しました。そこでETIC.のスタッフの方に「就活のためにインターンするんだった出直してこい」「週2日~3日コミットできないと成果は出せないよ」と言われ諦めました(笑)。でも、漠然と本当に力をつけるなら、ETIC.のインターンでなければならないんだろうなと思っていました。ただ、その時は、週2日とか週3日コミットする勇気が持てませんでした。週3日コミットしたら就活に支障をきたすのではないかと思っていたんですね。この時点では、完全に(世間一般の、ブランド志向型の)就活の成功しか考えていませんでした。その後、外資系金融機関の短期インターンシップをしたり、一週間くらいのインターンをベンチャーでしたり、企業説明会にでたり、"いわゆる就活"をしました。そして、3月くらいにITコンサルファームから内定 を頂き、4月は大手商社とリクルートだけ受け、内定先に入社しようと決めました。それで4年生の5月から内定先でITの研修が始まったんですけど、僕、 実はすごくプログラミングが苦手だったんですね。周りは、めちゃくちゃ頭のいいやつばかり、しかも経験者っていうことで、研修の成績ランキングがエクセルで配られるんですけど、僕は下から2番目でした。この時に、初めて、業務のことは全く考えず、スキルと年収と少々のブランドだけで就職を決めてしまった自分の行動を激しく後悔し始めました。

そんな中、『流学日記』の著者岩本悠さんの講演が自分の大学であって、聞きにいったんです。そこで「『本当に自分の好きなことをやれるか』、で仕事 は選びなさい」って言われて「ハッ」と思ったんです。自分は、自分の好きなこととか、想いとかで仕事を選んでこなかったな、と。世間体とか家族とか友達の目を気にして、自分の「欲求」と「性質」に合う仕事を選んでなかったと。自分の欲求や性質に合わないと、人間努力もできないと。それに気付いたので、その日のうちに、もう内定は辞退しようと決めました。そして、休学して就職留年(浪人)して自分の欲求にあう仕事を探しながら、成長するためにインターンをしようと決意しました。

休学中のチャレンジとして、なぜインターンを選んだのですか?

僕は、海外留学とインターンで迷い、結果的にインターンという選択肢を選んだのですが、それはなぜかというと、まず、海外で得られるのは、語学力しかないと思いました。確かに、異文化理解とかもあるかもしれませんが、その辺りに自分は、関心がなく、また、語学力は本気になれば、日本でも獲得できるだろうと考えました。日本で語学学校に通ってもいいし、担当教授からもそう薦められました。後は、自分は、『自分で考え行動する主体性とか積極性』を身に着けたかったし、そういう自分になりたかったんです。そうゆう意味で、海外に行くのは、どうしても受身になってしまうだろうと思い、ビジネスに活きるチカラや自信を身に着けるため、インターンをし、営業をガツガツとしようと思いました。

1社目のブイフォースをインターン先に選んだ決め手は何でしたか?

社会的意義と直感です。

インターンをしていて面白かったことや、やりがいを感じたことを教えて下さい。
  • 社長が、自分の考え(営業方法の変更・ダイレクトメールのキャッチコピーとか)を、実際の戦略に取り入れてくれたとき。⇒こういうことが出来た日は、「自分仕事したな~」と思い、疲れが吹っ飛んで帰宅途中も鼻歌混じりで帰りました^^
  • 大きい契約のアポをとって、それが契約に至り、今現在もお付き合いがあること。
  • 自分が会社に変化を起こし、それが成果の変化になり、社会にポジティブな変化を生み出したとき。お客さんから「ありがとう」って言われたときは、掛け値なしに仕事してよかったなと思います。
インターンで辛かったこと、悔しかったことは何ですか?
  • 断られ続けるテレアポは、いい修行になりましたね。忍耐力はあれど、押しの強いほうではなかったので。
  • 一緒に働いていた人が、リストラされたのは衝撃でした。且つ、自分が売っている商品が売れないためにクビになったので、とても罪悪感を感じました。自分の非力を恨み、悔い、自分が経営者になった暁にはリストラは絶対しないし、社員ならさせないよう努力するし、それだけのチカラを身に付けようと誓いました。
世間一般のブランドではなく、明確なやりたいこと(業務レベル)、明確なミッション(誰を幸せにしたいか)、自分なりのモノサシと企業を選ぶ軸を持って就職活動をできたことが、1回目の就職活動との圧倒的な違いでした。
インターンが落合君の人生に与えた影響は何ですか?

[就職観の変化]

  • Before「ブランド・スキル(年収)至上主義=市場価値はあるか?転職市場で勝ち残れるかとか。」
  • After「自分の強みを生かして、情熱を注げる仕事に就くことが成功」

["かっこいい"のテイギの変化]

  • before「結果を出せる人」
  • after「自分に正直・素直な人(ウソがない)、人を信じる人、想いのある人」

*人をハッピーにするのは、往々にして結果(だけ)じゃなく、思いやりだったりする。

ブイフォースでのインターンを経て改めて迎えた、2回目の就職活動はどうでしたか?どんな手ごたえを感じましたか?

明確なやりたいこと(業務レベル)、明確なミッション(誰を幸せにしたいか)をもち、就職活動ができたことが、1回目の就職活動との圧倒的な違いでした。具体的には、業務レベルでどんな仕事をするのか想像がつくようになりました。例えば、営業だったら、「営業リスト作成→テレアポ→訪問」というフローなど。そして、自分なりのモノサシ、企業を選ぶ軸ができたことも大きいです。世間一般のブランド志向ではなくなり、自分にとってのやりがいを求めること、自分の長所が活きることを志向するようになりました。

手ごたえとしては、インターン先企業や社長が、僕のことをすごく評価してくれていたので、それが自信の源となり、「別に企業にこびることはない!ひるむことはない。「今の自分でぶつかれば大丈夫」という確信的自信を持って面接を受けることができたことです。

インターンで得たことは何ですか?

[スタンス]

  1. 「できるorできない」は、神の決めること。「やるorやらない」で決める。
  2. 感謝。生産者がいるから豊かな暮らしができる。両親がいるから大学に通える。
  3. 失敗はない。あきらめなければ、すべては教訓にすぎない。

 

[出会い]

  1. 創業を経験した経営者に数多く出会えたこと。彼らに共通する誰にも依存しないマインドに触れたこと。
  2. ETIC. のインターン生で他の企業で抜群の成果を出している人に会っては、自分の甘さ、感謝の念の弱さ、自己中心的な考えのままで他者への貢献という視点が欠落していること、かっこいい生き様、主体的とは・・・など、数多くの学び、気づきを頂きました。ETIC.のコミュニティには、本当に人間的にすばらしい人が集まっていると僕は思います。

 

落合くんにとって、「仕事」とは何ですか?

自分が一番得意なこと、すきなこと、熱中できることで、どれだけお客様を喜ばせることができるかを競う競争だと思っています。

休学を考えている人にメッセージをお願いします。

「Define your success」

就職も、仕事も、インターンも手段にすぎない。就職や仕事を目的化した瞬間、僕たちは迷宮入りした人生を歩むことになるでしょう。もし、人生が二回あるなら、親の見栄のために人生を歩んでもいいかもしれない。でも、人生は一回。リスクのないチャンスは、きっと何の役にも立ちません。後悔しないようにしてくださいね。ちなみに、新卒採用をこんな風にやっているのは日本と韓国だけらしいです。長期インターンなどの就業体験がないまま、OB訪問でいくら話を聞いたって、就職してミスマッチが起こるのは当然ではないでしょうか。マイケルグッドウェルは天才には一万時間の修練が必要と言っています。是非、5~10年連続して働ける仕事を見つけてもらえればと切に想います。

最後に日本の若者的な皆さんへ
日本は、今GDP比180パーセントの長期債務を抱える、赤字大国です。そしてソニーはサムソンに抜かれ、トヨタはリコール問題。もうそうした大企業が稼げる保証はないのです。ということは雇用を生み出せる保証もない。でも、借金は増え続けている。ということはもちろん、円の価値が暴落する事だって、アルゼンチンやらギリシャやらの例を見ればあり得ます。是非、危機感を持って、自分の身や大事な人を守るために現状に自覚的でいてほしいです。

僕たちは、生きにくい時代にうまれたのにも関わらず、多額の借金を重荷に生きていかなければなりません。それを他人事にして、刹那的に生きてみても、いつかは現実問題なんとかしなきゃいけない。きっと誰かがどうにかしてくれるというような、いじめを傍観しているような態度が元凶なんです。誰だって、始めから、当事者意識が強いわけじゃない。積極的な行動が苦手な自分でけっこうだと思います。でも、そんな自分を生まれ変わらせてくれるもの、それがETIC.のインターンであることは、経験者の活躍を見れば自明だと僕は思います。これからの時代を創るのに必要なのは、「起業家精神」とETIC.は謳いますが、これは間違いなく正しいでしょう。是非、勇気を出して、小さな一歩でいいから踏み出してみてほしいと経験者として切に想います。

(取材:2011年3月)

落合 拓史さん

PRIFILE

  • 所属:ケアプロ株式会社 新規開発部長(東京学芸大学卒)
  • EIP12期/次世代社会イノベータープログラム2期

<1社目のインターン概要>

  • 1社目のインターン先:株式会社ブイ・フォース(実際はブイ・フォースの投資先である、株式会社フィードバックジャパンとケアプロ株式会社に出向し業務に従事)
  • 1社目インターン期間:2009年9月~2010年3月

[株式会社ブイ・フォース概要]
「未来を創る企業家を応援します」をということを経営理念に掲げ、ベンチャーキャピタリストとして、創業まもない企業を営業や販売促進の面から支援し、二人三脚で会社を軌道に乗せていくサポートを行っている。
http://www.v-force.jp/index.html

<2社目のインターン概要>

  • 2社目のインターン先:ケアプロ株式会社
  • 2社目インターン期間:2010年8月~2011年3月(その後、ケアプロ株式会社に就職)

[ケアプロ株式会社概要]
予防医療という観点から、「全ての人に健康の気づきを与える」ことをミッションに、「保険証不要」「予約不要」「ワンコイン(500円)」で、血糖値、総コレステロール、中性脂肪、身長・体重・BMI(肥満度)・血圧・骨密度を検査できるワンコイン健診というサービスを展開。生活保護受給者、フリーターや子育て中の主婦など、健診に行く機会がない検診弱者と言われる多くの人にサービスを提供。3年後までに100万人にサービスを提供することを目指している。
http://carepro.co.jp/